民泊の運営をしていく中で、稼働率を上げたいけど具体的にどうすればいいか分からないという人も多いでしょう。収益を上げるにはまず稼働率をアップさせることが大切です。
本記事では稼働率を上げるための方法、また現在のコロナ禍を踏まえて押さえておくべきポイントをご紹介します。
民泊の稼働率とは?

民泊に限らず、宿泊業にとって稼働率は経営していく上でとても重要な基準です。所有している物件や部屋が利用されるということはその分の売上があるということなので、稼働率が高ければ高いほど収益の増加にも繋がります。
また、夏休みや桜のシーズンなどの観光客が多く訪れるハイシーズンになると稼働率アップも期待できます。
近年日本では外国人観光客の増加によってホテル不足問題が深刻になり、元々海外で人気だったAirbnbなどの民泊サービスが注目されるようになりました。日本でも東京や大阪などの都市圏だけでなく、沖縄や北海道、福岡などの地方都市でも需要は高まってきています。
コロナ禍における民泊業界の現状

新型コロナウイルスの影響により民泊の稼働率は大きく下がり、事業廃止の件数も増えているのが現状です。海外からの観光客だけでなく、国内の旅行需要も減ったことで収益が見込めなくなったのが主な原因となっています。
しかし、ワクチンが普及して「GoToトラベル」などのキャンペーンで国内旅行をする人が少しずつ増えてきており、再び収入を増やしているケースも多くあります。
その理由のひとつとして、一軒家を借りて宿泊することで他の宿泊客と接触しなくて済むということが挙げられます。予約やチェックインが全てオンラインでできる利便性も大きなメリットです。
新しい生活様式とマッチしている民泊は今後も需要を伸ばしていくでしょう。
民泊の稼働率を上げる方法

民泊サービスを始めたものの、収益が伸び悩んだり運営が思うようにいかいないと感じている場合はいくつか見直すべき項目があります。現在の状況を把握することで改善すべきポイントが見えてきます。
では、稼働率をアップさせるにはどのようなことに取り組めば良いのでしょうか?
物件クオリティの向上
まずは、物件自体のクオリティを見直してみましょう。いくら価格が魅力的であっても、物件が古すぎたり清潔さに欠けていればゲストは泊まりたいと思ってくれません。
近年は古い民家をリノベーションして民泊として使うケースも人気なので、リフォームやリノベーションを検討することをおすすめします。また、清潔感は宿泊したゲストが1番気にする点といっても過言ではありません。掃除が行き届いているかは常に確認しておきたいポイントです。
さらに、アメニティや設備の多さも物件のクオリティをあげる要素です。寝具やバスタオルだけでなくキッチン用品や食器、インターネット環境も完備しているとゲストからも喜ばれるでしょう。
価格設定の見直し
価格の調整は自由にできるので、季節や時期に応じて設定することが大切です。例えば、観光地の近くに物件を所有している場合は週末や特に観光客が多くなる時期は高めに設定します。ハイシーズンは宿泊の需要が高くなるため、価格を高めにすることで収益の増加が見込めます。
ただし、値段を攻めすぎると予約が入らないこともあるので、うまく見極めることが戦略のポイントです。
逆にオフシーズンや平日は少し低めにしてみましょう。また、Airbnbでは長期滞在の料金も設定でき、リゾート地などは長期滞在する場合の価格を設定している物件も多いです。
清掃料金も最低限の価格にしておいた方が稼働率は上がるでしょう。
リスティングページの最適化
リスティングはゲストが宿泊先を決める際の大きな基準となります。いくら魅力的な物件を持っていたとしても、うまく紹介できていないと中々見つけてもらうことができません。
ほとんどのユーザーはまず写真から見るため、特に重要なポイントとなります。なるべく明るく、そして清潔感のある写真を撮るように心がけましょう。部屋だけでなく玄関やバスルーム、キッチン、景色など枚数が多い方が家の雰囲気を感じ取ってもらえます。
タイトルは家の特徴を分かりやすく、目に留まりやすいものを付けるとクリックしてもらえる可能性が上がります。
部屋や設備ついての説明や最寄駅、駐車場の有無など家の情報はできるだけ細かく書きましょう。観光地までの距離やアクセス、利便性も大事なアピールポイントです。
複数の募集サイトへの掲載
できるだけ多くのゲストに物件を見つけてもらうためには、複数の宿泊サイトに記載することも必要です。民泊の仲介サイトはAirbnbやAgoda、Vrbo、Flipkeyなど様々で国内外問わず多くの人が利用していて、国内では一休.comやSTAY JAPANといったサイトも人気です。
日本語だけでなく多言語で対応しているサイトであれば海外の観光客からの予約率も増え稼働率アップにも繋がる可能性があります。
物件を記載する際には、それぞれのサイトの特徴を生かしてリスティングすることを心がけましょう。ただし、複数のサイトを利用することでダブルブッキングが発生しないように注意する必要があります。
レビューや評価の向上
ゲストは写真や紹介文だけでなく過去に泊まった宿泊者からのレビューもチェックしています。特にAirbnbはゲストがホストを評価するシステムがあるため、ホストの対応が重視されます。
民泊の場合はゲストとホストが必ず顔を合わせるということは基本的にないため、メッセージでのやり取りがメインになります。チェックインの仕方やハウスルールなど宿泊の際に疑問点が残らないように注意し、返信もなるべく早くすることで信頼にも繋がります。
さらに、良いレビューを書いてもらうのに必ず欠かせないのが清潔感です。部屋が清潔でないとマイナスの印象を持たれるだけでなくレビューに書かれることも多いので、その後の集客に大きく影響します。水回りを中心に清潔さには常に気を配りましょう。
コロナ禍で高稼働を目指すために重要なこと

コロナ禍において旅行のニーズが大幅に減少してしまいましたが、それでも少しずつ需要は回復していると言えます。そしてその中で稼働率を上げるために考慮すべきポイントをいくつかご紹介します。
ターゲットの見直し
まずはターゲット層の見直しです。現在は海外よりも国内旅行の需要が高いため、外国人観光客を想定するよりも、ターゲットを日本国内に住んでいる人へ変えてみましょう。
家族や若者など、それぞれの視点でニーズを探り設備やアメニティを見直したり、遠方からだけでなく近隣の人を対象にお得に宿泊できるプランを考えるのもひとつの方法です。
また、リモートワークが増えたことで旅先で仕事をしながら休暇も楽しむワーケーションという働き方も注目されています。ファミリー層や若者だけでなく、リモートワークにも適している物件であれば、会社員にも十分ニーズが高いと言えるでしょう。
競合物件との差別化
数ある物件の中からゲストに選ばれるためには、他物件との差別化が必要です。
たとえば、インテリアや食器にこだわったおしゃれな部屋などインスタ映えをコンセプトにすれば、若い女性などを中心にSNSで拡散される可能性も高いです。テラスや庭があれば人混みに行かずにBBQなどを気軽に楽しむこともできます。
ファミリー層向けに大きめのベッドや寝具を用意したり、映画を観れるプロジェクターを完備するのもコンセプト作りのひとつです。「他の人にも教えたい」「また泊まりたい」と思ってもらえるような体験を提供することで、リピート率や稼働率の増加にも繋がるでしょう。
非日常体験を提供
民泊のロケーションは駅近や利便性に優れた大都市から、海辺や山の近くまでバリエーションが豊富です。そして、ビーチが望める部屋や星空が綺麗に見える場所など、そこでしか味わえない非日常体験ができるのは民泊ならではです。
たとえば、宿泊だけでなくシュノーケリングやクルーズ、ハイキングといったアクティビティや文化施設の見学、陶芸体験などをオプションでつけるとその土地の文化や自然を楽しんでもらえるきっかけになります。
日本らしさを詰め込んだ和風な部屋、海外にいるような気分になれるコンセプトの部屋なども非日常的な気分を味わうことができるでしょう。大変な世の中だからこそ、日常の忙しさを忘れて楽しめる体験を提供できるのが民泊の強みです。
まとめ

稼働率を上げるためには物件のクオリティはもちろん、リスティングの見直しや価格設定など様々な対策が必要です。本記事であげた項目をひとつひとつ確認していけば、改善すべきポイントや解決策が見えてくるはずです。また、時代や生活様式に合わせて柔軟に対応していくことも重要です。
そして何より大切なことはゲストが「泊まってよかった」「また来たい」と思えるような環境づくりをすることです。ゲストが満足してレビューや評価が良くなれば、リピート客が増えたり予約率も上がり、そしてそれが稼働率アップにも繋がっていくでしょう。